こんにちは、キャンペジニアです!
「ネットワークエンジニアって、普段何をしているの?」と聞かれると、意外と一言では説明しにくい仕事です。
ルーターやスイッチへConfigを入れるイメージが強いかもしれませんが、実際にはその前後に要件整理、設計、検証、現地導入、障害対応、ドキュメント作成など多くの工程があります。
私が実務で経験してきた案件では、おおまかに次の流れで進むことが多いです。
要件定義 → 基本設計 → 詳細設計 → 構築・検証 → 導入 → 運用・保守
もちろん会社や案件によって担当範囲は違います。この記事では、それぞれの工程で「実際に何をするのか」を現役ネットワークエンジニア目線で解説します。
ネットワークエンジニアとは
ネットワークエンジニアは、PC、サーバ、クラウド、拠点などが必要な相手と安全・安定して通信できる仕組みを作る仕事です。
対象になるものは幅広く、例えば次のような環境があります。
- オフィスLAN
- 拠点間WAN
- インターネット接続
- 無線LAN
- VPN
- データセンターネットワーク
- クラウドとの接続
- ファイアウォール
- 認証・アクセス制御
小規模な案件なら1人が複数工程を担当することもありますし、大規模案件なら工程ごとにチームが分かれることもあります。
工程1:要件定義 ― 「何を実現したいか」を決める
最初から機器やConfigを決めるわけではありません。
まず、お客様が何に困っていて、何を実現したいのかを整理します。
例えば「無線LANを新しくしたい」という相談でも、確認することはたくさんあります。
- 何人が利用するか
- どのエリアで使うか
- 業務端末とゲスト端末を分けるか
- 認証方式はどうするか
- 既存ネットワークとどう接続するか
- 停止できる時間はあるか
- 予算・納期はどの程度か
この工程で曖昧なまま進むと、後で「思っていたものと違う」が起きます。
要件定義で必要な力
技術力だけではなく、相手の言葉を技術要件に変換する力が重要です。
お客様は必ずしも「OSPFで冗長化したい」と言うわけではありません。「障害が起きても止めたくない」という要望から、冗長化方式を考えるのがエンジニアの仕事です。
工程2:基本設計 ― ネットワーク全体の形を決める
要件が整理できたら、ネットワークの大きな構成を決めます。
基本設計では、例えば次のような内容を考えます。
- ネットワーク構成
- 機器の役割
- 冗長化方式
- VLANの分け方
- IPアドレス設計方針
- ルーティング方針
- インターネット接続
- セキュリティポリシー
- 監視方針
この段階では「Gi1/0/1にこのConfig」のような細部ではなく、なぜこの構成にするのかを決めます。
設計で大切なのは「正常時」だけではない
ネットワークは、正常に動く構成を作るだけでは足りません。
- 回線が切れたらどうなるか
- スイッチが故障したらどうなるか
- ファイアウォール片系が停止したらどうなるか
- メンテナンス時に通信を継続できるか
障害時の動きを考えておくことが重要です。
工程3:詳細設計 ― 実際に設定できるレベルまで落とし込む
基本設計で決めた方針を、機器へ設定できる具体的な値にします。
例えば次のような項目です。
- ホスト名
- 管理IPアドレス
- VLAN ID
- 各インターフェースの役割
- IPアドレス・サブネット
- スタティックルート
- OSPFなどのルーティング設定
- ACL・ファイアウォールルール
- NTP・SNMP・Syslog
- 認証設定
ここで設計表、パラメータシート、Configなどを作ります。
私はこの工程で、設定値同士の矛盾がないか、既存環境と重複しないかを特に意識します。
工程4:構築・検証 ― 本番前に「本当に動くか」を試す
設計が完成したら、実機や仮想環境でConfigを作り、動作確認します。
検証では「pingが通ったからOK」だけでは不十分です。
例えば冗長構成なら、あえて障害を起こして確認します。
- 回線を抜く
- 機器を停止する
- 経路を切り替える
- 想定した通信が継続するか確認する
- 復旧後に元の状態へ戻るか確認する
本番環境では簡単に試せないので、検証でできるだけ失敗しておくことが大切です。
検証で不具合が出るのは悪いことではない
むしろ本番前に見つかってよかった、という考え方です。
設計書どおりなのに動かない場合は、仕様の理解が間違っている、製品バージョンで挙動が違う、前提条件が抜けているなどの可能性があります。
公式ドキュメントやログを確認しながら原因を追います。
工程5:導入 ― 一番緊張する本番作業
検証が終わったら、本番環境へ機器を導入・設定変更します。
ネットワークの導入作業は、利用者への影響を避けるため夜間・休日に行う案件もあります。
導入前には、次の内容を準備します。
- 作業手順書
- 作業前確認
- Configバックアップ
- 変更手順
- 正常性確認項目
- 切り戻し条件
- 切り戻し手順
- 連絡・エスカレーション先
「切り戻し」が本当に重要
本番作業では、成功する前提だけで考えません。
予定時間内に正常性が確認できない場合、元の状態へ戻す必要があります。
「何時までに直らなければ戻す」「この通信が失敗したら戻す」のように、判断条件を事前に決めておきます。
この準備があるだけで、トラブル時の焦りがかなり減ります。
工程6:運用・保守 ― 導入して終わりではない
ネットワークは導入後も変化します。
- 新しい端末・拠点の追加
- VLAN追加
- アクセス許可変更
- 回線変更
- 機器故障
- ソフトウェアアップデート
- 証明書更新
- 監視アラート対応
障害が起きたときは、ログ、監視情報、経路、インターフェース状態などを見ながら切り分けます。
運用保守を経験すると「どんな設計が運用しやすいか」が分かるので、その後に設計工程へ進んだときも役立ちます。
担当工程によって、求められるスキルは変わる
| 工程 | 特に必要になる力 |
|---|---|
| 要件定義 | ヒアリング・整理・説明 |
| 基本設計 | 構成検討・冗長化・セキュリティ |
| 詳細設計 | プロトコル理解・設定値の整合性 |
| 構築・検証 | Config・検証・トラブルシューティング |
| 導入 | 慎重さ・手順管理・判断力 |
| 運用保守 | 監視・切り分け・継続改善 |
未経験で入社した場合、監視や運用保守から始める会社もありますし、研修後に構築補助から入る会社もあります。
どちらが正解というわけではありません。
大切なのは「今どの工程を担当していて、次にどこへ進みたいか」を考えることです。
ネットワークエンジニアの1日は案件によって全然違う
例えば設計期間なら、こんな1日があります。
- 午前:お客様打ち合わせ
- 午後:構成図・設計書を修正
- 夕方:チームレビュー
検証期間なら、ほぼ一日ラボで機器を触ることもあります。
導入日は昼に準備し、夜間に本番作業という日もあります。
そのため「ネットワークエンジニアはデスクワーク」「現場仕事」と一括りにはできません。担当工程によってかなり変わります。
仕事で使うのは技術だけではない
実際に働くと、次のスキルがかなり重要だと感じます。
- 文章を書く力
- 人に説明する力
- タスク管理
- レビューを受ける力
- 分からないことを調べる力
- ミスやリスクを早めに共有する力
ネットワーク機器のコマンドだけ得意でも、案件全体を進めるのは難しいです。
未経験から目指すなら、まずどの工程を知ればいい?
最初から要件定義や大規模設計まで理解する必要はありません。
まずは、「PCから別ネットワークのサーバへ通信する仕組み」を理解し、小さな構成を自分で作れるようになることをおすすめします。
- IPアドレス
- サブネット
- VLAN
- デフォルトゲートウェイ
- スタティックルート
- OSPFの基本
- ACL
- DHCP・DNS
未経験転職の準備についてはこちらで詳しくまとめています。
未経験からネットワークエンジニアへ転職する前に知っておきたいこと
仕事のきつさ・働き方についてはこちらです。
ネットワークエンジニアはきつい?現役で働いて感じる7つの大変さ
まとめ
ネットワークエンジニアの仕事は、単にConfigを作ることではありません。
要件を整理し、構成を考え、設定値へ落とし込み、検証し、安全に本番へ導入し、その後も安定して使えるよう支える。ここまでが一連の仕事です。
会社によって担当工程は違いますが、自分が今どこを担当しているのかが分かると、次に身につけるべきスキルも見えやすくなります。
未経験で興味がある方は、まず小さなネットワークを自分で作って通信させてみてください。そこで「なぜつながる?」「なぜつながらない?」を考えるところから、この仕事の面白さが始まります。


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