こんにちは、キャンペジニアです!
「ネットワークエンジニア オワコン」「将来性がない」「AIに仕事を奪われる」――ネットワークの仕事をしていると、こういった言葉を一度は見かけます。
以前のこの記事では「ネットワークエンジニアは絶対になくならない」とかなり強く書いていました。
2026年の今、クラウド、SDN、自動化、生成AIが当たり前になりつつある状況を考えると、もう少し正確に言う必要があります。
ネットワークの仕事そのものが消えるとは考えていません。ただし、「機器に手でConfigを入れることだけ」を仕事にしていると、役割は確実に変わっていく。これが現役エンジニアとしての今の考えです。
なぜ「ネットワークエンジニアはオワコン」と言われるのか
理由は大きく4つあると思います。
- クラウド化で物理機器を触る機会が減った
- GUI・SDN・クラウド管理画面で設定できる範囲が増えた
- IaCや自動化で定型作業を人が手入力する必要が減った
- 生成AIがConfigや手順書のたたき台を作れるようになった
この変化だけを見ると、「昔ながらのネットワークエンジニアは必要なくなるのでは?」と思うのも自然です。
実際、定型的な作業はこれからも減っていくと思います。
自動化されやすい仕事は確かにある
例えば、次のような仕事です。
- 決められたテンプレートからConfigを作る
- 大量機器へ同じ設定を投入する
- 定型的な設定差分をチェックする
- ログを分類・要約する
- 既知障害の一次切り分けをする
- 手順書の初稿を作る
こういった作業は、スクリプト、API、IaC、管理プラットフォーム、AIと相性がいいです。
「CLIを早く打てること」だけに価値を置く働き方は、以前より重要度が下がっていくと思います。
それでもネットワークの知識が必要な理由
クラウドにもネットワークがある
AWS、Azure、Google Cloudなどへ移行しても、通信設計がなくなるわけではありません。
サブネット、ルート、VPN、ロードバランサー、DNS、ファイアウォール、NAT、拠点との接続など、考えることは残ります。
むしろオンプレミスとクラウドを接続するハイブリッド構成では、物理ネットワークとクラウドネットワークの両方を理解する必要があります。
SaaSが増えても「つながらない」は起きる
業務アプリがSaaSになっても、ユーザーは社内LANやWi-Fi、インターネット回線を通ってアクセスします。
「特定フロアだけ遅い」「VPN経由だと接続できない」「DNSでは引けるのにアプリが使えない」といった問題は残ります。
こうしたトラブルは、OSI参照モデルを暗記しているだけではなく、実際の通信経路を順番に追える人が強いです。
セキュリティとネットワークは分けにくい
ゼロトラスト、SASE、NAC、マイクロセグメンテーションなど、セキュリティ製品や考え方が変わっても「誰がどこへ通信してよいか」を決める部分にはネットワークが関わります。
ファイアウォールのポリシーを考えるにも、ルーティングやNAT、名前解決、通信方向を理解していないと判断できません。
AIでConfigを作れるなら、人は何をするのか
生成AIはConfig作成やコマンドの説明にかなり使えます。私自身も、調査の入口やたたき台作りにAIを使う場面は増えました。
ただし、本番ネットワークで重要なのは「Configが文法的に正しいか」だけではありません。
- 既存環境と競合しないか
- 変更でどの通信が止まるか
- 冗長化が想定どおり動くか
- 障害時にどこまで影響するか
- 切り戻しできるか
- 顧客の要件を本当に満たしているか
AIが出した設定をそのまま投入するのではなく、正しいかを判断し、検証し、変更リスクを管理する役割が必要です。
AIによって「考えなくていい」になるのではなく、単純作業が減るぶん、設計や判断に求められるレベルが上がると考えています。
これから価値が下がりやすいスキル・上がりやすいスキル
| 相対的に価値が下がりやすい | これから伸ばしたい |
|---|---|
| コマンドの丸暗記だけ | 通信の原理を理解して切り分ける力 |
| 定型Configの手入力だけ | API・自動化・IaC |
| 単一メーカーだけの操作知識 | 設計思想とマルチベンダー対応 |
| オンプレだけ | クラウドネットワーク |
| ネットワークだけ | セキュリティ・Linux・DNS・クラウドとの境界領域 |
| 指示どおり作業するだけ | 要件整理・設計・リスク説明 |
もちろんCLIやメーカー知識が不要になるわけではありません。基礎として必要です。
ただ、「なぜこの設定なのか」を説明できることの価値がより高くなると思います。
現場で感じるのは「ネットワーク単体」の仕事が減るというより、境界が広がっていること
以前は「ルーターとスイッチだけ分かればネットワーク屋」と言いやすい時代もありました。
今は実務で、次のような周辺領域に触れることが増えています。
- クラウド
- 仮想化
- Linux
- コンテナ
- 認証
- セキュリティ
- Wi-Fi
- API
- 自動化
- 監視・ログ基盤
すべての専門家になる必要はありません。
ただ、「これはサーバ屋の領域だから分かりません」「クラウドだからネットワークではありません」と完全に切り離すのは難しくなっています。
現役ネットワークエンジニアとして、これから学ぶならこの順番
1. TCP/IPの基礎を固める
IPアドレス、サブネット、ARP、VLAN、ルーティング、DNS、NAT。ここは流行が変わっても土台になります。
2. トラブルシューティング力を鍛える
正常時の通信経路を理解し、「どこまでは正常か」を切り分ける力です。AIがあっても、この能力がある人ほどAIの回答を正しく評価できます。
3. Linuxとクラウドを触る
ネットワーク機器以外から通信を見る経験が増えると、切り分けの幅が広がります。
4. API・Git・自動化へ広げる
Pythonを完璧に書けなくても、JSON、REST API、Gitの基本を知るだけで、管理ツールや自動化への入り口が広がります。
5. セキュリティをネットワークと一緒に学ぶ
通信を「通す」だけではなく、「誰に何を許可するか」を考える習慣を付けます。
「オワコンか?」より「仕事内容が変わる」と考えた方がいい
ネットワークエンジニアが今後ずっと同じ仕事を続けられる、とは思いません。
手作業のConfig投入は減り、クラウドや自動化を扱う機会は増えます。AIが手伝ってくれる範囲も広がります。
でも、これはネットワークだけの話ではなく、ITエンジニア全体に起きている変化です。
重要なのは、ツールに置き換わる作業を守ることではなく、ツールを使って設計・検証・障害対応の質を上げる側へ移ることだと思います。
こんな人なら今から目指しても面白い
- なぜ通信できないか考えるのが好き
- 機器だけでなくクラウドやLinuxにも興味がある
- 自動化を「仕事を奪うもの」ではなく「面倒な作業を減らすもの」と考えられる
- お客様の要望を技術へ落とし込むのが面白そう
- 学び続けることを苦痛に感じにくい
未経験から目指す場合の準備はこちらの記事にまとめています。
未経験からネットワークエンジニアへ転職する前に知っておきたいこと
仕事のきつい部分はこちらも参考にしてください。
ネットワークエンジニアは本当にきついの?現役エンジニア目線で解説
まとめ
「ネットワークエンジニアはオワコンか?」への答えは、ネットワーク技術がなくなるわけではないが、求められる仕事は変わっているです。
クラウド、AI、自動化によって、定型作業は減っていきます。一方で、複雑な通信経路を理解し、設計し、障害を切り分け、変更リスクを判断できる力は引き続き必要です。
これからネットワークを学ぶなら、CLIのコマンド数を競うより、TCP/IPの基礎を深く理解し、クラウド・セキュリティ・自動化まで少しずつ範囲を広げる。
その方向なら、ネットワークエンジニアはまだ十分面白い職種だと私は思っています。


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